archive : 2012 年 09 月

真珠湾と錦江湾

日米開戦の火ぶたを切った真珠湾攻撃。戦略的評価はここでは述べないが、真珠湾を攻撃し、対米宣戦布告するという選択をした、太平洋戦争前夜の日本人と現代日本人について考察したい。
というのも、最近のオスプレイ導入反対反対論や、尖閣諸島、竹島問題にいたる日本人の領土意識、覚悟のあり方について何かヒントがあるのではないかと思うからだ。

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真珠湾攻撃には大問題があった。それは、真珠湾の地理的条件だ。平均水深12m。
当時の常識では、とても航空機からの雷撃(魚雷攻撃)は不可能な湾であった。普通、雷撃には最低、水深60m以上が必要だった。つまり、航空機から雷撃すると、魚雷は一旦60mまで沈んでから航走する。真珠湾に艦船を停泊している限り、アメリカ海軍は雷撃から防衛できていると言うわけだ。

その常識を覆すために日本海軍が行ったのが、航空魚雷の改良。そして、超低空飛行での雷撃訓練だ。

その超低空飛行雷撃訓練を行った舞台が鹿児島の錦江湾だ。その超低空飛行ぶりたるや、オスプレイの比では無い。数十機の攻撃機が戦闘速度で海面すれすれに超低空飛行しているのだ。当時の鹿児島市民は何事だと思ったであろう。これは、何か重要な訓練に違いない、とも思ったかもしれない。当然、戦前の事だし、政府や軍部に対して異を唱える事もなかったであろう。また、そのような特殊な訓練をやっているという情報が、外に漏れる事も無かった。
鹿児島と言う地域性、武人としての意識が濃厚に残る県民性であったから、それが出来たのかもしれない。また、激しい訓練と言っても数ヶ月程度のことで済んだ訳だし、我慢の限界を超える期間ではなかったのだろう。
そういった日本人の振る舞いを、つい思い出すのは、オスプレイ問題で反対を叫ぶ人々を見るにつけだ。

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前にも書いたが、もしもオスプレイが欠陥飛行機だとすれば、そもそもアメリカ軍が採用しない。だから欠陥機だと声高に非難するのもナンセンスだ。沖縄の軍事基地全体に反対してこのような主張をしているのだろうと思うが、では、沖縄に基地がなくなった場合の日本の防衛についてはどうするのだろう。

日本防衛に重要なのは分かるが、沖縄だけに負担を強いるな!ということか。
だが、オスプレイ反対派の陳情を見るとそうではないような印象を受ける。彼等が望むのは、沖縄の非軍事化、日米同盟の反対。つまり日本の国益に資する事は皆反対のようだ。

マスコミには流れないが、そうではない沖縄県民もいらっしゃるのを最近知った。沖縄市民を外国の驚異から守るには日米同盟が必要であり、そのためにはオスプレイ導入が不可欠だ、とする市民団体だ。まことにまともなご意見だが、なぜそのような意見が沖縄にあるという事が報道されないのだろうか?

この、軍事的な問題にはとにかく反対する団体と、原発とつくものにはとにかく反対する人々に、共通にある匂いを感じるのはワシだけではあるまい。ワシは国粋主義者ではないが、何か、日本人の質というものに思いを馳せる今日この頃である。
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文系的思考と理系的思考

政府が「革新的エネルギー・環境戦略」の原案をまとめたという報道があった。2030年に原発稼働ゼロを提言する民主党案をふまえたものだが、やはり高速増殖炉「もんじゅ」廃炉が提言されるようだ。

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高速増殖炉の仕組みについての説明は割愛する。「もんじゅ」と言えば、95年のナトリウム漏れ事故、2011年の炉内中継機落下事故、とネガティブな報道で印象づけられているであろう。

しかしである、この高速増殖炉という難しい技術をここまで保持しているのは世界で唯一日本だけだ。
昨年の炉内中継機落下事故は、話を聞いただけで「そんな馬鹿な・・」と思わずつぶやいてしまうようなばかばかしい事故だった。ナトリウムに満たされた炉内から落下した部品を回収するのは素人目にも「無理じゃないか・・」と思っていた。
ところが、である。不可能と思われていた部品回収をやってのけたのだ。日本の技術者は。この報道はもっと注目されていいと思っていたのに、さらっと、三面記事のようなあつかいで1度だけ報道されただけだった。
たいした事の無い事故ではこれでもか、というくらい、原発の事故は報道するくせに、高速増殖炉から落下した部品を回収したと言う奇跡のようなニュースをなぜ大きく扱わないのか不思議でしょうがなかった。

こんな、世界でも事例のない技術を保持しているのは何度も言うが「日本だけ」である。このまま運転を再開すれば、世界でただ一つの高速増殖炉の原子力発電所として、国益に非常に益するものなのに、なぜ、ここで廃炉に持って行こうとするのか。

群馬県のダム建設を白紙にした様に、民主党議員の頭は文系の文脈で物事を考えている。物事を科学する頭がないのだ。彼等の言う「革新的エネルギー」というのは、彼等の頭の中にある空想だけで、日本人がその手の中に持っている技術力には注意を払わないのだ。

ここにも、理想論(空論)に執着し、現実を見ないという朱子学的な発想が現れている。

このままでは、せっかくの技術が死滅してしまうだろう。あるいはフランスに売るかもしれないが、あの国にはもう金はないだろう。やっぱり日本で高速増殖炉を開発しようと言う時になって、もうその時は技術者も金もありません、という日が来る事だろう。そして、コストばかりかかって品質の悪い再生可能エネルギーによって、日本経済は袋小路に入ってニッチモサッチモ行かなくなるのだ。
金がなくなった日本は防衛力にまわす資金も無く、尖閣諸島のはもちろん、対馬も九州も北海道も外国に売り渡すしかなくなる日が来るかもしれない。そうならないためには、今、手を打たなければならないのだ。しかし、民主党はことごとく亡国のスイッチを押す。

「馬鹿が国家を滅ぼす」とは「竜馬がゆく」小説中の勝海舟の徳川幕府への言葉である。
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ロシアのクビキ

ウラジオストクでのアジア太平洋経済協力会議APECが閉会。野田首相はTPP参加を表明せず、韓国の李明博大統領と握手して帰って来た。何しに行ったんだか。

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しかしながら、ロシアのプーチン大統領からは日露間の「過去から引きずっている全ての問題を最終的に解決したい」というお言葉を頂く。お土産をもらった訳だ。よかったね、手ぶらで帰って来たと指弾されなくて。

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が、しかしプーチン大統領の次の言葉には注意しなくてはならない。
「エネルギー分野や日本企業のロシアへの投資拡大など、経済協力の強化に期待したい」。

日本は今、安くて安定供給の出来る方法で天然ガスが欲しい。原発ゼロを目指す政府は特にそう思っている。
サハリンからの天然ガスパイプラインを北海道まで引くプロジェクトに必ず飛びつくだろう。

そこにロシアからの甘言。北方四島返還をちらつかせ、サハリン液化天然ガスプロジェクトへの資本導入に日本を絡めとる意図が見え見えだ。
もし、ロシアからのエネルギー依存が大きな割合を占める事になると、もう日本はロシアからのクビキから逃れられなくなるだろう。

過去に、ロシアがグルジアやウクライナを石油パイプラインで締め上げた事実を忘れたのだろうか。ロシアは過去どのような時期にもお人好しな時代は無かった。また、一方的に条約を破棄した事例も多々ある。日本は身をもって知っているはずであろう。

もし日本がロシアからのエネルギー依存に舵を切るなら、いつ切断されても良い様に、外交の道具にされない様に、日本は独自にやって行けますよ、というメッセージとしても、原発は持っていなければならない。
再生可能エネルギー(この単語を使うたびに騙されたような気分になる)と言われているものは、家庭の電力は供給しても、産業のエネルギー基盤にはならないからだ。
今回のAPECでは原子力エネルギーの活用の必要性を謳っている。原発ゼロを提言する民主党は「日本はやんないよ」と言ってるようなものだ。ではなぜ、宣言に署名したのだろうか?
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