archive : 2013 年 07 月

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「未完のファシズム」を読んで

この本は今年の正月に夢中になって読んでいたのだが、紹介が遅れてしまった。
何で今頃紹介することになったかと言うと、この間の参院選挙で感じた危機感からだ。

未完のファシズム

立候補者のあまりの小粒ぶりに、日本の将来は大丈夫か?そもそも、こんな能力のなさそうな連中を国会に送る理由があるのか?誰も選びたくなくないような人しかいない参議院というものが、そもそも必要なのか?
という素朴な疑問から連想したのがこの本だ。

わしはこの数十年、近現代日本史を研究して来た。といっても人が書いた本を読んでただけだが。
それというのも、ずっと疑問に思っていたことがあったからだ。それは、
「なぜ負けると分かっていたはずの太平洋戦争に突入して行ったのか?」ということだ。

こんな疑問も、現代だからこそで、当時の日本人はそんなこと考えもしなかったことだろう。一般の日本人は必ず勝つと信じていたはずだから(少年Hは別らしいが)。

今まで読んだ本から、おおよその歴史を風景化することは出来ていたと思っていたのだが、この本は更に別の視野を与えてくれた。
まるで、月探査機「かぐや」のように地表数十メートルの高さから立体的に俯瞰したような視点だ。今までの本は、多かれ少なかれ、現代的な価値観から戦前戦後の日本人を判断したり、糾弾してたりしていたが、それは後出しじゃんけんで、既に結果が分かってるから出来る批評なのだ。そのことに違和感を感じていたのだが。この「未完のファシズム」はそのような後出しじゃんけん的なずるさが無かった。
この本はずばり、日本人の思想史なのだ。特に旧日本陸軍のエリートたちの。

つねづね疑問に思っていた、当時のベスト&ブライテストだったはずの陸軍大学出の将校たちが、なぜあのような行動をとったのか、という謎が、この本によって氷解した気がする。

日露戦争の反省に立って、第一次世界大戦に参戦した時、青島攻略戦ではヨーローッパ戦線よりも先に近代砲撃戦を敢行し、きれいに勝利したこと(これは知らなかった)。その時に初めてアジアで空中戦が行われた。空母導入も初である。それほど、科学的な戦術を試みて成功した陸海軍が、なぜ、第2次世界大戦のときは「精神力で敵を凌駕する」といった思考になって行ったのか、なぜ、玉砕が「戦法」になったのか、ということが、思想史から解き明かされてゆく。キーワードは「持たざる国対持てる国」だ。

また、永田鉄山、小畑敏四郎、石原莞爾と宮沢賢治、田中智学の国柱会、など、おなじみの登場人物の分析も分かりやすく、初めて知った人物、中柴末純の思想がどれほど影響したかも良く分かった。中柴末純は東条英機のブレーンで「戦陣訓」の起草者である。統制派と皇道派の違いも理解しやすかった。

これは、日本人を研究するものにとって必読の書である。作者の片山杜秀氏には、次回は海軍の視点からの分析をお願いしたい。

というわけで、最初の参院選にもどると、日本人は、過去から決められない組織作りばかりして来たんだな、と。それは、小粒の人間の寄り合い所帯で、なんとか意見を寄り合わせて、談合したり統合したり、足して2で割ったりと、そうして小さな世界で生きて来たんだな、と、改めて思った訳だ。
憲法や立法するときも、日本人は顕教としての条文と、密教として法の精神を使い分けるのだが、いつの間にか密教部分はなくなり、文面だけが生き延びて、「精神力」で戦い、「平和憲法」で平和だった、という思考になって行くわけだ。言霊の国らしい。朱子学とはまた違う思考回路が見て取れる。



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「風立ちぬ」見て来た

昨日の話だが、スタジオジブリの新作「風立ちぬ」を見て来た。

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飛行機好きにはたまらない時代のエピソードが紹介されていた。
ストーリー上、詳しい飛行機話まで追求していなかったが、分かる人には分かる時代背景を割愛しつつ、
主人公の恋愛模様が進行して行く。

あの時代の日本人がなんと愛おしいことか。けなげな人々であった。
終盤にはさすがのワシも涙がにじんでしまったぜ。隣に座っていた見ず知らずの60年配とおぼしきおじさんが、さめざめと泣き崩れているのだから、仕方も無かろう。

この映画の良いところは、過酷な運命に、誰を恨むことも無く、誰かを呪うことも無く、誰かを指弾することも無く、ただただ、運命を受け入れ、おのれの立ち位置で最善のことをする。今できることに全力を尽くす。そういう日本人を描いていることだ。
そういう日本人の美意識がさりげなく表現されていた。そのことだけでも、宮崎駿監督にお礼を申し上げたい。
「ありがとう」。

こういう映画、韓国や中国などの朱子学の人々、あるいは日本人の中のそういう人々、きっと理解できないだろうな。それが残念でもあるが、文化の違いだとしたら仕方も無いことだ。
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深海展

上野の科学博物館で開催している「深海展」に行ってきた。
夏休み初日とあって、朝からちびっ子たちでごった返していた。
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中には深海生物オタクらしい若者と、オッサンも熱い視線を送っていた。

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かくいうワシもこういうものにウハウハ状態。

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「おばんです」。

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スケーリー・フットとご対め〜ん。
思っていたより小さかった。
ブラック・フットの方は鉄のウロコを持ってるんでっせ。
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大きさはトコブシと言ったところ。
食えるのか?

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オオグソクムシともゴタイメ〜ン。

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「オバンでガンス」。
思ったより大きくて重量感があった。どこかの水族館では、死んでしまった深海生物を焼いたり煮たりして、試食させるサービスがあると聞いた。グソクムシを食した人のコメントではシャコの味に似ているそうな。
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じゃあ、このイカはどうだ。うまいのか?「ダイオウイカ」

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こちらは標本。
この春、NHKで初めて生きたダイオウイカの映像が放映されたが、金色や銀色に輝いていているのは、まるで金属で出来た生物のようだった。美しかった。その目は地球上最大で、バレーボールほどの大きさらしい。
深海600mでの出会いの時、人間も生で観測できたけど、ダイオウイカにとっても直に人間を観測した瞬間だった。
その時彼はどう思ったのかな、「こりゃ食えそうも無いな」と思って去って行ったのだろうか?

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最後に、スーベニール・ショップで見つけたのがこれ。

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高〜!








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