archive : 2013 年 09 月

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フィレンツェの世紀

またまた良い本に出会っちゃった。今年は当たり年だなあ。
「フィレンツェの世紀」 石鍋真澄著 平凡社 5400円なり

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ローマ史を読み、ヴェネチア史、地中海のキリスト教徒対イスラム教徒の攻防戦と来て、次はフィレンツェものかな、ということで読み始めたのだが、これが当たりだった。
この本の趣旨は、ルネッサンス期の芸術作品や建築を、フィレンツェ社会の成り立ちから、芸術家とパトロンとの関係、その相互作用として、あの奇跡のような傑作群がどのように成り立って来たかということを、分かりやすく、しかも最新の研究結果をふまえながら読者に伝える、ということだそうだ。

てっきりイタリアやアメリカの研究者が書いた本を、日本人が訳しているのかと思い込んだまま読み進んでいたのだが、そうではなかった。翻訳物にしては読みやすい、と思って改めて奥付を見ると、石鍋真澄氏の名前しか乗っていない。「日本人が書いたのか!これを!?」と驚いたくらい、実に詳しく親切だ。絵画や建築だけのことではない。基本となるキリスト教のことが完全に理解できている。写真や図版も多く、フィレンツェに行ったことがない人でも、読んでいるうちにあの時代のフィレンツェ人と肩を並べながら通りを歩いているような錯覚を覚えるだろう。
石鍋真澄氏は現在成城学園大学教授だそうで、恥ずかしながら存じ上げなかった。この世界ではさぞや名のある先生なのだろう。良い本を書いて下さってありがとう、先生。
次回フィレンツェに行くことがあったら、是非、この本を片手に持って行きたいものだ、ちょっと重いけど。
どんなガイドブックより4次元の旅が出来るだろう。
それにしても、あのボッティチェリの「プリマヴェーラ」が新婚夫婦ために整えられた寝室の家具に描かれた装飾画だったとは知らなかった。ウフィッツィ美術館で見た時、意外に小さかったので驚いたのだが、そういう訳だったのか、と納得した。美術館に飾られているだけでは、その絵の本質はつかめないものなんだな。
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